2013/12/09 羊毛、毛糸のおさらいー毛糸の成り立ち編ー
手紡ぎ糸にこだわって、ニットを作っているのですが、
可愛らしい意匠糸がたくさんある中、手紡ぎ糸にこだわって制作する理由ってなんだろう…。
を説明するのに、少し、毛糸のことをおさらいしてみようと思います。
糸には色々な原料(コットンとか、シルクとか…)がありますが、
私は羊毛を好んで使っているので、今回は羊毛中心のお話です。
羊は紀元前から人と暮らしていて、ごわごわしたヘアの混じる羊から、
やわらかいウール主体の羊に長い年月をかけて品質改良されたのでした。
(文章はめんどくさい!という方は画像中程右寄りの羊の絵からはじまる、
すごろくを順番に見てみて下さいね。)
羊にはいろんな種類がいて、その毛質も違います。
細い方がやわらかくて肌触りも良いので、高値で取引されています。
私がよく使用しているのは、メリノですが、メリノは細番手のやわらかい毛質の羊です。
色々な種類のひつじがいて、それぞれに特徴があるので、
それも、自分で紡ぐと選べる楽しさがあります。
白い毛や茶色、黒い毛など天然カラーの毛もあれば、ちじれが強い糸もあればさらっとした糸もあり、
服地に向くチクチクしない毛もあれば、ゴワッとつよいカーペット等に向く毛もあります。
(画像の羊の絵から左方向に見て行って下さい)
そんな羊の毛は、刈っても一塊になっており、
羊の脂や、糞などの汚れを洗ったり、草やムシなど、毛に絡まっているゴミをとって
綺麗にした後、細かい針の櫛、カードに何度もかけて梳ります。
繊維の方向を揃えた状態で撚りをかけたものが、梳毛糸、といい、
スラッとした均一な糸になります。
繊維の方向をあまり整えないで撚りをかけたものは、紡毛糸、といい、
毛羽のあるふっくらとした糸になります。
梳毛糸は、サージ、ギャバジン等スラッとしたスーツ生地など、
紡毛糸は、ツイードやメルトン等あったかジャケット生地などを
想像してもらえるとわかり易いかもしれないです。
手紡ぎすると、撚りの加減も調節できるので、
私は、フンワリ目に撚って、空気を沢山含んでやわらかく暖かい糸になるようにしています。
沢山撚ると、シャリッとした肌触りの糸になり、
編んだ時も斜行といって、編み地が斜めに撚れて面白い表情の編み地になったりもします。
糸の作り方は、ザックリここまで。
ちょっと長丁場の話になってしまったので、羊毛の性質については、
また次の回で……。
手紡ぎすると、色々な工程で工夫できるので面白いのです。
身につけるものを主に作っているので、やわらかくて暖かい糸になるように作っています。
今回は毛糸の成り立ち方についてでした。